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小林よしのり
2015.7.25 13:20メディア

TBS「報道特集」今回の慰安婦問題はダメです


TBS「報道特集」で、インドネシアの日本軍による戦時性暴力

の特集を見た。

中曽根康弘が慰安所を作った理由は、日本兵が現地の女性を

強姦しまくっていたかららしい。

 

強引に拉致して慰安所に連れて行ったり、学校に行けると

騙されて連れて来られた少女もいたようだ。

当時13歳だった少女が、日本兵3人に輪姦された証言は、

あまりに酷くて、思わず日本兵を憎んでしまい、同じ日本人と

して恥ずかしく思った。

 

募集広告で自発的に慰安婦になった娘ばかりではないようだ。

かつての慰安婦論争では吉田清治の人さらい的「強制連行」に

こだわりすぎて、このような戦時性暴力が見えてなかった。

 

慰安所に通ったことのある元日本兵のインタビューでは、

泣きながら、「戦争は殺し殺されるだけのものだから、

突撃一番で女を公衆便所のように扱った」と証言していた。

この日本兵も気の毒だと思った。

 

この「報道特集」の企画、勉強になったが、気になるのは、

被害者の女性をサポートしているのがオランダ人の女性だと

いうことだ。

番組の制作者たちは知らないのだろうか?

日本軍が統治する前、インドネシアは

オランダに350年間も植民地にされていた

ということを!

 

その統治の実態は、華僑を間接統治のために利用して、

過酷な搾取をした結果、自給自足体制が崩壊し、餓死者続出、

村々の人口は極端に減って、平均年齢が35歳まで低下した。

 

1945年、日本が去ったあと、スカルノ大統領は独立宣言を

したが、一度は日本軍に追い払われたオランダがこれを認めず、

再び植民地にしようと襲来し、1949年まで4年間の戦争と

なった。

インドネシアはこの戦争で80万人の戦死者を出している。

 

オランダ人はインドネシアのことで、日本人を批判できる

立場にはない!

この事実を隠したまま、オランダ人を称賛し、日本軍の

インドネシアでの戦時性暴力を批判しても、それは誠実な

報道とは言えない。

オランダ人は日本軍に負けた恨みがあるから、今も日本を

なんとかして貶めてやろうという運動をしてるのかもしれ

ない。

 

台湾の慰安婦問題のレポートは良かったが、今回の番組は

知的誠実さに欠けていたと言えよう。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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